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Milk Lady of Bangalore [Books]

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「エレベーターで何を見たと思う?牛」

インド出身の著者Shoba Narayanはその後アメリカ、ニューヨーク・マンハッタンで人生の大半を過ごし、家族と共にインドへ戻ることを決意する。高層アパートに移動しエレベーターにで出くわしたのは牛。

宗教の影響が大きいインド暮らし、アメリカとは大きく異なるカルチャーの違いを一から学びなおすことになる。毎朝近所に搾りたての牛乳を売っている牛飼いSaralaとの出会いが彼女のインド生活を実り多きものにしていく。
Saralaとの日々のやりとりがとても面白い。生活の知恵、というか人生の知恵満載のSarala,それは学校で学ぶ知識とは全く異なるものなのに、うなずける部分が多いのです。

衛生問題を懸念して最初は購入を拒んでいたShoba、科学的根拠等々調べに調べてようやく購入を決意。その後は新鮮なミルクを使ってバター等も作ることを楽しむようになる。

著者の生活はSaralaに比べると雲泥の差。毎朝生花が届けられ、使用人が食事を作り、掃除をし、運転手がいるというもの。彼女との距離は程よく客観的な分析ともなっている。

インド出身作家による話にありがちな、やたらと多い登場人物と人間関係に混乱することもなく、テンポのよい流れを楽しみながら読み進めました。ところが後半は一気にトーンダウンしまったのは残念。

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レター教室 [Books]

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日本の文庫本はポケットにそっと入るほどの大きさ。手のひらサイズとも言えるその大きさの中身の深さに泣き笑い。人生をがらりと変える程の言葉にであることもある。

三島由紀夫「レター教室」。帰路の成田空港への車内であっという間に読み終えてしまいました。この人こんなに面白い作品を書いていたとは!

年齢や職業の違う男女5人が織りなす手紙のやりとり。内容はもちろんのこと、文章の長さや文字の美しさ(汚さ)からも背景が面白いように見え隠れするのです。直接対話ではない間接対話の凄み。
誰が送信しても同じ印象となるテキストメッセージとは大いに異なる約50年前の人々新鮮な印象で飛び込んできます。

人物紹介からして大笑い。元美人の英語塾の経営者ママ子、有名なデザイナー、つつけばピチピチと音がしそうな20歳のOL、演出家を目指す青年、まるまる太った貧乏学生(OLの従弟)。

女性は年齢に関係なく策略家。男女の辛みに話題は事欠かない。直接会って話せばよいのに「同性への愛の告白」や「肉体的な愛の申し込み」はたまた「心中を誘う手紙」まであるのだから。

中年のおばさんとなるのを恐れているママ子さんが妙に近しく思える。私も加わるとすればこんな自己紹介で。
那須賀ママ代 50歳 
ママ子とは「便りのないのは良い便り」間隔の付き合い。自称ワイン好きだけれど飲んだそばから銘柄を忘れる。インド出身のボーイフレンドと暮らしているので自宅料理はほぼ毎日カレー。ニッと笑うと前歯が黄色く輝いているのを本人は気づいていない。ママ子とトビ夫の仲を秘かに応援している。

さて、まずは誰に手紙を送りましょうか。
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Leonardo da Vinci [Books]

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レオナルド・ダヴィンチのノートを元に書かれた「Leonardo da Vinci」は通常の伝記とは異なる角度から彼の才能を分析している。

メモ魔であった彼のスケッチ、日常品買い物リスト、教会建築のアイデア等々、科学、生物学、アート等彼の興味のあるものすべてが詰まったノートはとても興味深い。そして細かく分析している著者の視点も面白い。

600ページに亘るこの本はダヴィンチの作品が多く掲載されているので上質紙。約1.3KGのとても重い本なので、気軽に抱えて読めないのが難点(笑)。
このような本こそ電子書籍で楽しむべきですね。
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Promise Me, Dad [Books]

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第47代米国副大統領Joe Biden著 "Promise Me, Dad”。

1972年に交通事故で夫人と生まれたばかりの娘を失った彼は、苦悩を乗り越え35年以上デラウェア州知事を務め、その後は8年間副大統領としてオバマ大統領の最も信頼すべきパートナーとなる。

次期政治家としての道を歩みだしていた長男Beau。脳腫瘍が彼の将来奪ってしまう。ありとあらゆる可能性を求めて新薬を接種し、All good!と常にポジティブに振る舞うBeau.息子を心配するあまり悲痛な表情でいるJoeを「そんな悲しそうな顔をしないで!」と逆に励ましてしまう強さ。

Beauを囲む家族達とのやりとり、そしてその間も副大統領としての厳しい任務をこなさなければならない立場が綴られていきます。

人の表情はその仕事によって変わってくるもの。例えば常に数字を気にしているエコノミストや投資家は険しい顔つき、保母や先生は慈しむような表情、芸術家は自由な雰囲気。
Joe Bidenの表情は政治家であっても穏やかな印象があったのは、数々の苦難を乗り越えた人間らしさが溢れていたからということをこの本を読んで知ることができました。

「もし自分に何があっても父さんは大丈夫だよね? Promise Me, Dad」
病に挑む息子から父親への力強い問い。彼の死を乗り越えて走り続けるJoe。

この本に出会えてよかった。
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Personal History [Books]

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Washington Post誌の元発行人Katharine Graham著「Personal History」。タイトルの通り自伝なのですが600ページを超える超大作。彼女が79歳の時に発刊されたこの本は彼女自身が生まれる以前の両親の話から始まるので80年以上の歴史をほぼ1年毎に綴っているのです。

映画「The Post」を観て彼女をもっと知りたくなり読み始めてみると、その面白さに引き込まれてしまいました。
冒頭で彼女自身が述べているように「私はプロフェッショナルの作家ではないことが歴然です」と言いつつも、一般人では経験できない彼女の人生は興味をそそられることばかり。
恵まれた幼少期から父親がオークションで購入したWashington Post社との関わり、幸せな結婚生活、才能ある夫Philの交友関係、そして躁うつ病にだった彼の自殺により未経験のビジネス界に突然巻き込まれることに。
1950年代、男性のみの出版業界に携わることになった彼女の混乱、果敢に仕事に打ち込む様子が事細かく書かれていきます。

彼女の才能はもちろんのこと、若い頃より大統領を含む幅広い社交関係でアメリカの主要人物と自然に出会っていたのは恵まれた家柄の賜物でしょう。そして仕事を始めてからもガツガツとすることなく、あくまでも自然体で努力していく姿には余裕さえ感じられます。

Personal Historyと言いつつ、夫Philに関する記録が40%程占められていて、この間彼女自身はどう思い、どう暮らしていたのか、はほんのわずかの説明にもどかしく感じていたら、終章で「Philの事を記録した文献は何もなく、私がしなければ、と思ったのです」と。実存した人の話は何よりも重い。

「歳をとってから過去にしがみついてしまうことはとても危険。私は今を生き、将来を楽しみにしています」で締めくくられたこの本、充実感溢れる読み応えでした。

Philの自殺54年後の2017年12月に息子のWilliamが69歳で自殺してしまうとは誰も想像しなかったことでしょう。彼女が知らなかったのは何より。
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Chasing Light [Books]

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フラリと立ち寄った本屋で見つけたMichelle Obamaの写真集、Chasing Light.
大統領夫人であった彼女の日々を収めたものですが、事あるごとに知った彼女の大らかなキャラクターがそのまま写っています。

バラエティショーで踊ったり、子供達向けのイベントで思い切り抱きしめたり、一緒に映っているホワイトハウスの職員が思いっきり笑っている写真では、きっと彼女がジョークでも飛ばしたことが伺われます。約1年前が妙に懐かしく思えます。大きなサングラスで表情を隠している現大統領夫人とは大違いだから。

人の表情とは性格を現すものなんだな、と改めて感じました。
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Do no harm [Books]

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英国ロンドン在の神経外科医Dr. Marsh著「Do No Harm」。脳腫瘍を持つ患者への手術、時には死と隣り合わせの患者に、成す術はないと告げる辛さ、自己との闘い等を綴った本。

単なる雑記ではなく、1つ1つが完成された物語。時にはとてもシリアスに、またユーモアも交えて。
この文章の格調高さは?と思っているとDr. Marshはオックスフォード大学で哲学と経済学を学んでいた人。そこから医学に興味を持ち、神経外科医を目指すことに。

神経外科医になると決めた時、先輩医師達とのインタビューの下りが面白かった。
「で、奥さんの意見は?」
2人から同じ質問を受けたDr. Marsh.そして彼もその後プライベートでも厳しい道を歩むことに。

私のボス達も神経外科医。日々患者の生と死と向き合い、時には手術が原因で患者の様態が急変するのを目の当たりにしている職業。職業とは簡単に言えない重さがあります。自身のバランスをどうとっているのかは興味深い所。

そして様々な種類の脳腫瘍の解説も勉強になりました。
数回手術を行っても再び腫瘍ができ、この夏に亡くなった友人や、現在病と闘っている友人の姿を思い浮かべながら噛みしめて読みました。
手術をしても完全回復はできない病、また副作用で麻痺状態、もしくは植物人間のようになる可能性が大きいもの、等医師と患者、家族に選択が迫られる様はまさに人生への選択。そして神経外科医という人生を選択したDr. Marshの生きざま。

引退後の新書「Admissions」はネパール、ウクライナの病院での実体験も綴られていて、こちらも面白かったです。

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Do yo like poems? [Books]

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アメリカ生まれの詩人Emily Dickinson.1830年生まれのEmilyはアカデミー卒業後、生涯の殆どを生家で過ごし生前は無名であったものの、彼女の死後に妹のLaviniaが約1800編の詩を発見し出版にこぎつけた。

自分の部屋に籠り溢れる想いを言葉につなげる作業はどのようなものだったのか、興味がそそられます。

図書館のサイトで選んだこの本は大人向けのイラストの上に言葉が乗っていて、まさに相乗効果。

"Hope" is the thing with feathers -
That perches in the soul -
And sings the tune without the words -
And never stops - at all -

「希望」は羽根を付けた生き物ー
魂の中にとまりー
言葉のない調べをうたいー
けっしてー休むことがないー
亀井俊介 編「対訳ディキンソン詩集」より

日本語で読んでみると、言葉の巧みな使い方に関心するばかり。そうか、thingは生き物となるのね。

短い文章の中に広がる世界は無限大。
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Stories from Shakespeare [Books]

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友人達と何回か出かけた夏のシェークスピア劇場Bard on the Beach. その後は夫々の興味も散り行きたい人だけ各自で行く体制に変化。というのも「皆行くなら私も」というノリでついてくる人達はそもそも中身にそれほど興味がないから。
Bard on the Beachの大ファンの友人Vickyからのギフトは素敵な本。イラストたっぷりの中身に「子供向け?」と思いつつ読み始めると...読みやすい! 原作は英語の古語、しかも演劇用なので理解しづらいこともあるのに、これはすんなりと頭に入っていきます。
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400年以上前の人々の感情、妬み、熱情、誇り、愛情―も今とそれほど変わらないんだな、という新鮮な驚き。
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Men Without Women [Books]

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4月の帰国時に購入した村上春樹著「女のいない男たち」。日本語で彼の本を読むのは初めてなので、とっつきやすそうな短編集を。
こだわりのある文章は現実離れした世界への導きとなり、早く読み進めたい気持ちと、終わってほしくない物語との葛藤を楽しみました。お気に入りは「ドライブ・マイ・カー」「シェエラザード」。「独立器官」も不思議の世界で面白かった。英語だったらどうなるのか、と英訳本も読んでみました。

わざと理屈っぽい言い回しは英文ではあっさりと。敬語と普通語、男言葉、女言葉の違いが英語では1つの表現になってしまうから。その逆であまりにも回りくどい表現は英語でサラリと過ごしたほうが良いことも。

ちなみに「やつめウナギ」はlamprey eel。ひとつ学んだわ。