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Men Without Women [Books]

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4月の帰国時に購入した村上春樹著「女のいない男たち」。日本語で彼の本を読むのは初めてなので、とっつきやすそうな短編集を。
こだわりのある文章は現実離れした世界への導きとなり、早く読み進めたい気持ちと、終わってほしくない物語との葛藤を楽しみました。お気に入りは「ドライブ・マイ・カー」「シェエラザード」。「独立器官」も不思議の世界で面白かった。英語だったらどうなるのか、と英訳本も読んでみました。

わざと理屈っぽい言い回しは英文ではあっさりと。敬語と普通語、男言葉、女言葉の違いが英語では1つの表現になってしまうから。その逆であまりにも回りくどい表現は英語でサラリと過ごしたほうが良いことも。

ちなみに「やつめウナギ」はlamprey eel。ひとつ学んだわ。

Yoga of Max's Discontent [Books]

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New York, Wall St. で働くMaxはコンピュータに向かってデータ処理の日々。母親の死後、偶然立ち寄った街角の屋台。真冬にも関わらず薄着で仕事をしているインド出身のオーナーに自分のコートを差し出すと「インドといっても様々な気候があり、自分はヒマラヤ山脈に近い場所から来たので大丈夫。インドのヨギーはもっと薄着で修業しているんです」と語る。
ヒマラヤ山脈近くでヨガ修行? その真意は? それまで特別ヨガに関心がなかったMaxは仕事を投げ出し12月のヒマラヤへと旅立つ。

長時間列車に揺られ、その後12時間のバス、更に10時間以上のハイクでようやくたどり着いた場所ではエジプト出身の元俳優とイタリア出身の学生が既にヨガ修行をしていた。10日に一度だけ会話ができるという沈黙生活の中、日々ヨガと瞑想、そして農作業をMaxも始めることに。ヨガ経験もないMaxは難易度の高いHeadstandポーズをすんなりとこなしてしまう。それを見た他の2人は「前世のカルマだ」とMaxに告げる。

Maxはこの生活に直ぐに溶け込めるのか? そんなことはなく3日目で根を上げそうになる。自身の様々な思いと闘いながら彼はインド生活を続けることに。

インドのヨガ僧達は北米でいうお洒落な「ヨガインストラクター」とは全く別物。何十年も座り続ける人、腕を上げ続ける人、黙秘の行で沈黙を守り続ける人…とかなり特異な世界。子供の頃に観たTV番組の主題歌「インドの山奥で修業して♪」の歌詞に大いに納得。

ヨガのポーズAsanaは大きな行法の一部でしかなく、難しいポーズをこなせたからゴールにたどり着くわけではない。日々の生活をしっかりと行うこと、Maxのように日々瞑想生活を送ることもヨガのひとつ。彼が世話をする宿にやってきたヨギーの一人は12年間インド内を旅し修行を続けていると語る。5年後Maxはある境地に達するが、これはかなり早いと思う。これも彼のカルマだからか?

読み終えると晴れ晴れとした沢中な気分になりました。自分のペースでヨガ修行を続けていこうと思います。
Om....

The Golden Son [Books]

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広大な土地を持つインドの農村に生まれたAnilは5人兄弟の長男。本来ならば父親の後に家業を継ぐべく立場なのに、彼は医学部卒業後、アメリカ・テキサス州の研修医に応募し新たな人生を歩む。

数年前インドの孤児院より子供を授かった物語”Secret Daughter"に深く感動を覚え、同じ著者の作であるこの本を楽しみに読み始めました。

今でも強く男子、しかも長男が次の家長となるべく大切にされるインドの風習、そして1人1人の背景が子供の頃から30歳過ぎまで細かく綴られていくパターンは別の本でも読んだ覚えが。
ヒンドゥー教の習慣はよくわからないけれど、ベジタリアン、アルコール抜きを母親から厳しく言われたAnilもアメリカでは肉食は避けるものの、ビールを楽しみ、近所に住むアメリカ人ガールフレンドと付き合うように。互いの両親には紹介できないジレンマ。そして彼女の元彼は友人を滅多打ちにし、緊急病棟に運ばれる惨事となる。

研修医として同僚は全てライバルという立場の中、唯一の有色人種としてのギャップ、親しくなった同僚から思いきり裏切られ、救われたのはインド出身の先輩研修医。

幼馴染のLeenaは若くして結婚するものの、夫に虐待され、義母、義理の姉からは「Worthless,(価値なし)Garbage(ゴミ)」と呼ばれる日々。彼女との再会によってAnilとの愛情が芽生えるのか…
それは読んでからのお楽しみ。

細かく日々の心の動きを追っていった前半から最終章は一気に8年後の世界になってしまい、急いだ終結になったのは残念。

Christianity [Books]

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読書好きの友人からヒントを得た中世の歴史。程よい厚さで写真もたっぷりのMedieval Worldはフランス、イタリアはもとより、同時代のイギリス、ロシア、スカンジナビア、または中東にも及び、必ず記載されている地図と共にビジュアルに目に入ってくるのが何とも新鮮。

そして歴史の背後には宗教が絡んでくるのです。キリスト教の繁栄は法王の政治力とは切っても切れないもの。信仰という清い心から発生した宗教は様々な展開を経て勢力争い、土地争い、権力争いにもつながっていくのです。これはキリスト教の歴史も学ばないと

2017年のLENTは特別な節制(FAST)はせず、金曜日もうっかり肉を口にしてしまったりといい加減な私ですが、1つ決めたことはキリスト教をもう少し深く学ぼうということ。
手軽なスマートフォンの無料アプリで聖書を読み始めたのですが、ページ毎に出てくる広告がとても煩わしく、結局紙媒体に逆戻り。時代に逆らっています。笑

Pope Benedict著のThe Apostlesはキリストに賛同した12人の使徒について詳しく述べたもの。中世の本から広がった世界。知的航海が続きます。

Absolutely on Music [Books]

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村上春樹氏と指揮者小沢征爾氏による対談集「小沢征爾さんと音楽について話をする」の英訳本
「Absolutely on Music」日本語タイトルよりもとても分かりやすく、的をついています。

実は村上春樹氏の作品を日本語で読んだことがないのですが、彼が若い頃ジャズ喫茶を経営していたのは別の本で知っていました。音楽好きの彼がクラシック専門のマエストロと対談するとは企画だけでも興味津々。読み始めてみると彼は並大抵の音楽好きではなく、オタクとも言えず超専門的な愛好家。

Like love, there can never be too much ‘good music.’
「愛と同じように、”良い音楽”はいくらあっても多すぎることはない」

巨匠レナード・バーンスタイン、カラヤンの元で修業した小澤征爾。その根源は高校時代にさかのぼり、斎藤秀雄氏の教えから始まる。村上氏の持っている小澤氏のレコードを聞きながらの質問と答え。自身の演奏を深く振り返りながら演奏家達のエピソードや当時の自分の思い出が次々と語られていく。

学生の頃クラシック音楽にどっぷりハマっていた私はレコードやCDを聞くことはもちろん、更に自分が演奏する曲はスコアも読み、更に日本人指揮者達の本を読み漁っていた時期がありました。
数十年前に読んだ小澤氏著「ボクの音楽武者修行」で彼の奔放的かつ情熱的な時代が繰り広げられていたのを思い出し、更に後年になってもまずすることは「スコアを読んで読んで読みまくること」をこの本で再度認識。マーラーのスコアを初めて開いたときの驚きが語られています。

音楽を聴いているかのような楽しい対談に引き込まれ、読み始めたら止まらない面白さ。音楽の深い森に入り込んだようです。

Natural Beauty [Books]

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「緑茶や蜜蝋を使って簡単にフェイシャルクリームができるんだよ。ケミカルは避けるべきだね」と自然派の同僚Kevin。それもそうね、と思いつつ本屋に立ち寄ると目に入ったのはNatural Beauty. 化粧品や香水に使われている薬品の悪影響を示した表はもちろんのこと、ドライ、ノーマル、熟年等それぞれの肌質にあったアロマオイルや、ブラウンシュガ―、オーツ等体に良い素材を用いたスクラブやマスクの作り方、マッサージ方法等々が満載。

元気な肌を保つには、アルコールを控え、タバコは厳禁なのです。そして食材はオーガニック。
ケミカルは洗剤や消臭剤等生活の全てに氾濫しているのです。手軽に購入でき、使いやすく効果もあるとなればつい使ってしまうんだけれど。

さて、自然派ケアの例として
― ひび割れたかかとには熟したバナナをつぶしてマッサージ。
― 疲れた肌をリフレッシュさせるには湯むきしたトマトをつぶし(種はのぞいて)コーンスターチ、オリーブオイルを加えてペースト状にしたものを使う

これなら自分にもできそう。ブランド名に流されず自分に合ったものを見つけていくきっかけになりました。

King of mystery [Books]

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引っ越し間近の友人から「お土産~」と渡された手提げ袋、中を覗いてみると数冊の本! サプライズ!
「これは面白いよ!」と中でも友人お勧めはJeffrey Archer著「A Prisoner of Birth」その厚さに読め切れるかな、とページをめくると...止まりません。笑。区切れが良い構成なので途中で休んで翌日また、という読みやすさもあり、話の面白さが更に増していきます。

思えば「ケインとアベル」「大統領に知らせますか?」等日本語訳でハマったのも懐かしい。当時は気にもとめていなかったイギリス人ならではの細かな描写、例えば「トーストにバターを塗り、ゆで卵の殻をたたきながら」の会話だったり、ロンドンの通りの名前や歩き方等、がとてもリアル。
どうしてこんな話の展開が思いつくのか、と著者の頭の中を覗いてみたいくらい。

続けて数冊読んでみようかな♪

Night [Books]

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1960年に出版されたElie Wiesel著 NIGHT. 1944-45年の大戦中にアウシュビッツに送られた彼自身と家族との日々をつづったもの。初版は1956年イーディッシュ語で862ページの大作。その後英訳、仏訳、編纂を重ねた最新版は100ページ。こんなにも重厚な短編を手にしたことがあったでしょうか。

15歳の彼は家族と共にアウシュビッツに連行される。母親と妹とはガス室に送られ、その後再会することはなかった。父親と同じキャンプで過ごすことになるけれど、強制労働、空腹、過酷な日々に精神的にも追い詰められていく。父親は終戦前にキャンプで命を落とす。

神の名において祝福? どうして祈るのか? 
なぜなら彼は数千人の子供たちを墓場に埋葬した...
なぜなら彼はアウシュビッツやその他のキャンプを創立した...
...
もはや何物にも頼らない。
明確な力強さに満ちている。
神も人もいない孤独の底からはい上がった僕の目は真っ直ぐに開かれている。
愛も慈悲もないのだ。

余りにも重い内容に頁をめくる手が止まり、通勤時の電車内ですっかり気持ちが沈んでしまったほど。

著者Elie Wieselは1986年にノーベル平和賞受賞。すさまじい体験は語り継いで行かなければいけない、と生涯において活動していました。2016年7月2日逝去。

Paris is always a good idea [Books]

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Paris is always a good idea. 思わず口ずさみたくなるような。Parisに憧れ、クロワッサンとカフェオレの朝食、エッフェル塔、シャンゼリゼ...特に日本女性はParisに弱いようです。

アート好きなRosalieは「今時手書きのカードを送る人なんているの?」という母親の反対を押し切り、St. Germainに自分の好きなカード、文具の専門店Luna Lunaを開店。小さな場所には地元の人はもちろんのこと、様々な人々が訪れ日々新たな出会いに。

ある閉店時、年老いた男性が店を訪れたことが彼女の人生を変えていくことに。

登場人物1人1人がとても個性的で、ウィットの効いた文章と共にぐいぐいと引き込まれていきます。ワインとクロワッサンが好みのRosalieのボーイフレンドは食を気遣うフィットネス・インストラクターというのも面白い組み合わせ。そして新たな出会いと共に物語は急激に展開していきます。

Paris is always a good idea この言葉はAudrey Hepburnが出演した映画Sabrinaでのセリフだったのですね。
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女性向きの柔らかなタッチの本なので一気に読み終えてしまいました。でも著者はParis生まれの男性。いや、きっと彼はゲイに違いない(勝手に想像)。

Gratidute [Books]

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不治の病に侵され、死と直面した場合、人はどう過ごすのでしょう。

医師であるDr. Oliver Sacksの想いを綴ったGratitude. 死と向き合う彼の冷静かつ美しい文章の一節一節が心に沁みていきます。
日々の生活から、子供の頃の思い出、信仰への想い、母親に厳しくなじられたことが後年になっても深く心の痛手となっていたこと 等が語りかけるように流れていきます。

Gratitude 生を受けたことに感謝し、家族、友人達、愛する者への感謝を言葉にすること。彼の場合は直前まで書き残したから何より素晴らしい。

8月の暑い夜に逝ってしまった友人へ、愛を込めて。